~ 高齢者や要介護者の移乗・移動の補助具 ~
介護の現場では、「移乗」や「体位変換」といった動作が、介助者にとって大きな負担となります。腰や肩への負担が大きく、無理をすれば介助者自身の健康を損なうことも。また、被介護者にとっても、無理な姿勢での移動はケガや恐怖心につながる恐れがあります。
そんな中、注目されているのが「介護リフト」や「移乗補助具」と呼ばれる製品です。大掛かりな電動リフトとは異なり、今回ご紹介するのは、比較的リーズナブルかつ持ち運びも簡単な「簡易リフトタイプ」。家庭や施設、在宅介護現場での使用に適しており、導入のハードルが低い点も大きな魅力です。
この記事では、売れ筋の5商品を比較し、それぞれの特徴・メリット・デメリット・おすすめの人・使用感などを詳しく解説します。使用シーンや被介護者の体格、介助者の人数などに応じて、どの製品が合うのかも併せて解説していきます。
それぞれの製品の特徴、メリット・デメリット
[LOSCHEN] 移乗シート 4ハンドル付き担架
- ナイロン素材で汚れに強く、手入れも簡単
- 両サイドに4本の持ち手(合計8か所)を配置
- 折りたたみ可能で携帯性あり
- 参考価格:4499円
- 軽量で取り回しが簡単
- 二人介助に適したハンドル位置
- 畳めば収納や持ち運びに便利
- 4ハンドルでは一人介助にはやや不安定
- 硬い床面では滑りにくいことも
素材がしっかりしており、体を包み込むように支えてくれる安心感があります。二人での移乗が非常にスムーズになり、介助者の腰や腕への負担が大きく軽減されます。
[SunlitCorner] 介助ベルト おんぶ担架型
- 背負い式の担架構造
- 耐荷重250kg、肩パッド・腰パッド付き
- 手が自由になるおんぶスタイル対応
- 参考価格:3500円
- 両手が空くため階段や狭所移動に有利
- 肩・腰への負担を軽減するパッド付き
- 非常時・防災時にも使用可能
- 背負う動作に体力が必要
- 装着・固定にやや時間がかかる
しっかりした作りで、背負う際の安定感が高いです。階段移動や避難の場面では非常に役立ちますが、装着にはある程度の慣れが必要です。
[LOSCHEN] 移乗シート 8ハンドル付き担架
- 広めのサイズ感(120×100cm)
- 両端と中央に8つの持ち手付き
- 防水性に優れたナイロン素材
- 参考価格:3099円
- 広めのサイズで大柄な方でも使用可能
- 介助者3〜4人での使用もOK
- 清掃がしやすく衛生的
- 一人では取り回ししづらい
- ハンドルが多い分、収納性はやや劣る
複数のハンドルがしっかり支えてくれるので、介助者の負担が大きく減る。シート自体の滑りもよく、体位変換もしやすい。やや大きめだが収納時は畳めば問題なし。
[LOSCHEN] スライドシート(パイプ状らくらく)
- パイプ状の滑る素材で、スライド移動に特化
- 起き上がり補助や寝返りサポート向け
- 超軽量で洗濯可能
- 参考価格:1599円
- スライド性能が高く、引きずる力を最小限に
- 寝返り補助やベッド内移動が簡単
- 軽くて扱いやすい
- 握りハンドルがないため持ち上げは困難
- 自立できない方には不向き
驚くほど滑りやすく、ベッド上での方向転換や姿勢変換がスムーズにできる。力の弱い介助者でも無理なく動かせる反面、しっかり体を支える必要がある。
[ENLUNTRA] 介護リフト ベルトタイプ
- 両サイドに持ち手が付いた介助ベルト
- ハンドルで前後左右の移動をサポート
- 頑丈なステッチと耐久性あるナイロン
- 参考価格:2980円
- 小回りが利き、家庭での起き上がり補助に最適
- 洗濯が可能で衛生面も◎
- 多用途で、移動・体位変換・起き上がり補助すべてに使える
- 被介護者に巻き付ける手間が必要
- 素早い移乗にはやや時間がかかる
ベッドから起き上がるとき、介助者が両サイドの取っ手を持ってサポートすることで、スムーズな動作が可能になります。比較的軽介助向けです。
比較表・まとめ
製品名 | サイズ | 持ち手数 | タイプ | 一人介助 | 参考価格 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|---|---|
LOSCHEN 4ハンドル | 105×72cm | 4(両サイド) | 担架型 | △ | 4499円 | ベッド⇔車椅子移乗 |
SunlitCorner おんぶ型 | 103×75×14cm | 肩固定式 | 背負い式 | ◎ | 3500円 | 階段移動・車移乗 |
LOSCHEN 8ハンドル | 120×100cm | 8(全周) | 担架型 | × | 3099円 | 多人数介助・大柄対応 |
LOSCHEN スライド | 72×72cm | なし | スライド用 | △ | 1599円 | 寝返り・体位変換 |
ENLUNTRA ベルト型 | フリーサイズ | 2(肩)+複数 | 腰ベルト | ◎ | 2970円 | 起き上がり・体位変換 |
- 短距離の移動や体位変換を簡単に済ませたい方
- 二人介助での移乗が中心の家庭や施設
- 自宅での一人介護を行っている人
- 災害時の緊急搬送用にも備えたい方
- 大柄な方や麻痺のある方など体幹が不安定な方
- 施設や病院など、複数人介助が可能な環境
- 自力で少し動ける被介護者
- ベッド上での寝返り・体位変換を補助したい方
- 起き上がり補助がメインの方
- 一人介助が中心の家庭
介護の負担を軽減するためには、「道具をうまく使うこと」が大切です。今回ご紹介した簡易型介護リフト・移乗シート・介助ベルトは、導入しやすく、現場の介助負担を大きく軽くしてくれる優秀な製品ばかりです。
選び方のポイントは、使用者の体格、介助者の人数、主に行う動作(移乗・起き上がり・階段移動など)によって変わってきます。たとえば…
- 汎用性重視・家庭介護には 「LOSCHEN 4ハンドル」
- 災害時や階段移動重視なら 「SunlitCorner おんぶ型」
- 体重が重い方や施設なら 「LOSCHEN 8ハンドル」
- 寝返りや体位変換には 「LOSCHEN スライド」
- 家庭での起き上がり補助に 「ENLUNTRA ベルト型」
介護は長期にわたるものだからこそ、少しでも快適に、安全に、そして介助者の健康を守る形で行いたいものです。今回の比較が、あなたの現場にぴったりな一台を選ぶ手助けになれば幸いです。
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